皆さんお待ちかね、退職エントリですw
V for Internetの中の人、舩越貴之(以下ふな)は2017年1月末日を持ちましてこれまで10年近く務めてきましたGoogleを退職し、フリーランスという名の無職になりました。
人の不幸は蜜の味、これまで六本木ヒルズへ自動車通勤していたお大尽な生活から一転、明日をも知れぬリスク満点の身になった話を今後お楽しみ頂ければ幸いです。
Googleでやってきたこと
私は2007年5月にGoogle Japanへ入社し、AdSenseチームに配属されて主にウェブサイトの収益化をお手伝いする仕事を6年ほど務めておりました。いまでは名のある大企業になったメディアから、残念ながら諸般の事情で泡と消えてしまった企業まで、様々な媒体の収益化をそのスタートアップの時からお手伝いできたのはとても貴重な経験でした。
Adsenseに入っての一番最初の仕事は、公式ブログInside AdSenseのオーナーでした。入社した日にブログの器だけできてて、あとはよろしくーみたいなノリに結構驚いたのですが、当時のGoogleはすべてそんな感じで、1人親方みたいな社員がそれぞれの裁量でガンガンドライブしてる感じでしたね。
AdSenseのビジネスが一通り形になったのを機に、当時個人向けパートナーシップのオープンを準備していたYouTubeからお声が掛かり異動することになりました。AdSenseもYouTubeも、根っこは同じGoogle Display Networkのエコシステムの一部で、主にAdWordsから入ってきたお金をパートナーへ収益として分配するプラットフォームです。これまでの経験を生かして今ではYouTuberと呼ばれるようになったオンラインクリエイターの皆様をサポートさせていただき、他では出会えないようなユニークでクリエイティブな人々とお仕事をご一緒させていただけたことに心から感謝しております。
極東地区のYouTuberビジネスの責任者としてあっちこっち飛び回りながら4年間務めて参りましたが、この度思うところあり独立することを決意しました。思えば約10年前、初めてGoogle Japanに入社した頃は、全社員が1つの部屋で一緒にランチを食べているような規模で、まさにスタートアップそのものの様相を呈していたものですが、いまは六本木ヒルズで数え切れないほどの社員を擁する大企業にまで成長したのは感慨深いものがあります。なにせ私が入社した頃はGoogleは日本ではまだYahoo!と熾烈な競争を繰り広げており、下手したら日本ではシェアを取れずに失敗するのではとまで言われることもあったんです。そして会社の知名度はまだまだ低く、自分のアパートを契約するのにGoogleという会社がどんなビジネスをしているか説明して保証人まで連れてこないと審査に通らないという・・・もちろん働いている自分たちには将来のビジョンや信ずるに足る成功への確信はあったわけですが、それでもこの10年でここまでの規模に成長するとは夢にも思っておりませんでした。
これまでの業務の軌跡は幸いなことに外部のメディアに取材頂いた記事などがインターネット上に残っておりますのでご参考までにご覧頂けますと幸いです。
どうしてGoogleを退職する気になったか
これは誠に個人的な事情なのですが、私の個人的な希望で、自由に、しかしより創造的でチャレンジングな生き方をしたかった、これに尽きます。
これまでGoogle以前にはAppleにてOnline Storeのダイレクトマーケティング担当として6年、そして学生時代には今は無くなってしまった西海岸発のベンチャーカンパニーでアルバイトとして働いてきた経験は、私としては「企業に属しながらのGrowth Hack」を学ぶことができた貴重な経験だったと思っています。いずれの場合もまだローカルのオフィスは小さく将来性も不透明な中、リスクを取っても楽しくて創造的なチャレンジができる職場を選んでキャリアを築いてきたつもりで、事実ほとんどの裁量を持たせてもらい(本社のお金と看板フル活用でw)様々なトライ&エラーを行う貴重な経験を積むことができました。
いまやGoogleは大企業で、私の仕事のあり方も自分で全責任を負い何か新しいものを作り出すことから、日々の業務が正常に回ることについての責任を会社に対して負うシニアレベルのマネージメントへと変わってきました。ある日ふと立ち止まってみると自分もチャレンジをしにくい年齢にさしかかっており、一方で身の回りで志半ばで病に倒れる人なども出てくるわけです。思い立ったが吉日とは言いますが、果たして自分が何をやりたいのかを考えるうちに、最初で最後のチャンスと思って独立し、自分らしい生き方を模索するという決断に至りました。正直転職するという手もあったのですが、いまはどうしても自分で好きなように物事を動かしてみたいという衝動が優ったという感じです。
退職にあたってはこれまで長くお付き合いいただいたパートナーの皆様や3カ国にまたがるチームのメンバー、そして数多くの同僚や上司皆さんにご迷惑をおかけしてしまいましたが、暖かく送り出して頂けたことに心から感謝しております。
で、これから何をやるのさ?
正直ふわっとしてます
イメージしているのは1つの仕事に囚われず、自分が役に立てそうなフィールドへ柔軟に貢献したいと思っていますので、流行りの言葉で言えば複業でしょうか?以前のYouTuberに関するエントリでも書いたのですが、自由に生きていこうと思った時に1つのことに集中して賭けるのは意外とリスクがあると思っていますし、ちょっと飽きっぽいところもあったりするもんで、現時点ではこれまでの経験を生かして下記のような事業を行う予定です。
スタートアップやクリエイターへのアドバイスなどのコンサルタント業
特にMCNや事務所さん、インフルエンサーの方などでYouTubeや動画コンテンツ絡みでお悩みの方へアドバイスできることは多いと思っています。YouTubeを活用して何か新しいことをお考えの際はぜひお気軽にご相談ください
チャレンジしたい人への投資
これまで様々な形でインターネット上の収益化事業をサポートしてきた経験を生かして、どのような形であれ何か夢のあることへチャレンジしたいという方を有形無形でサポートできればと思います。手弁当でお手伝いしますので、将来的なリターンはケースバイケースでご相談で(苦笑)
好きなことR&D
直接仕事とは関係ないかもしれませんがやりたいことは山ほどあります。趣味のクラシックカーやバイクのトレード、海外とのアンティークのやりとり。YouTubeビデオや写真も色々撮りたいです。モデルガンとかレコードとかおもちゃも集めたいですw 北海道に空き家があるのでAirBnb経営とかもしてみたいなぁ。これらの個人的な興味を何らかの形でビジネスに繋げるべく試行錯誤してみたいと思っています
最近副業ならぬ複業みたいな生き方はあちこちで話題になっていますが、私もそれを実践しつつなんとなく良いバランスを見つけていけたらなと思っております。成功しても失敗してもこのブログのネタには使えるに違いない(苦笑)
そんなこんなで、やりたいことが多すぎて自分でも整理がついていないのですが、とりあえずDance first, think laterの精神で拠点を確保しました。
場所は都心からは離れて神奈川県横浜市です。正直本物のハマっ子からしたら「そこ横浜じゃねーだろ」と激しく突っ込まれそうな場所ではあるのですが、対外的にはあくまで横浜です。埼玉県出身の所ジョージ氏が私の住まいの近くで世田谷ベースというのをやってるそうです。私は生まれも育ちも世田谷ですが資金が無いのでちょっと都落ちです。
屋号はDouble Clutch Technologiesです。1Fがスタジオ兼ガレージ、2Fに小さな事務所を作り、週の半分はここから仕事をしようと思っています。残りの半分は東京のコンサルタント先やコワーキングスペースをノマドしてると思いますので、どこかでお会いできたら色々お話しましょう。スタジオはYouTube動画の撮影もできますよ。
横浜スタジオは2フロア90平米で1Fの天井高は4m以上あります。三相動力電源もありますので、業務用プレス持ち込みで物を潰して撮影とかできますよ(おい
こんなユルユルの独立にも関わらずすでに色々とお仕事のご相談を頂いておりまして、本当に袖触れ合うも他生の縁かとこれまで公私問わず知り合った全ての皆様に感謝しております。いまはまだ小さなスタートなので多くのお仕事を請け負うことは難しいのですが、もしオンラインのマネタイゼーション、特にYouTube関連で私でお役に立てそうなことがございましたらぜひこちらのフォームからご連絡をいただければ、できる限りの努力をさせていただきます。
また、本ブログ、V for Internetで取り上げて欲しいネタも大募集中です。スティーブ・ジョブスやティム・クック、ラリー、サーゲイとかエリック・シュミットなど名だたるITヒーロー達のために働いた経験がある日本人はまだそーんなには多くないと思うので、少しは面白い話が書けるかもしれません。でも、よくある外資系OBのアレオレ詐欺にならないようには気をつけなくてはw