YouTuberの定額収入はファンコミュニティで実現できる
先日来個人的に猛プッシュしている「ファンコミュニティ」の設立による定額収入の確保ですが、いよいよもって2018年はこのビジネスが飛躍しそうな気配です。
YouTubeの広告掲載が止まってしまったり、ふとしたことで炎上してしまい動画更新ができなくなってしまうというYouTuberにとってやや向かい風が吹く昨今、このような「ファンと直接つながって支援してもらう」ビジネスの構築は、今後ますます重要になって行くと考えています。現在いくつかのサービスが立ち上がっていますが、今日はそれぞれの特徴についてまとめてみました。
YouTube公式「スポンサー機能」
YouTubeではコミュニティ機能の一部として、ファンから毎月定額の費用をサポートしてもらう「スポンサー機能」が実装されています。現時点でこれを利用できるのはYouTube Gamingのみなので、基本的にはゲーム配信者向けの機能です。毎月490円を支払いスポンサーになることでファンが得られる特典は以下の通りです。
- スポンサーバッジの表示
チャットへ書き込んだ際に自分の名前の横にバッジがつくことでスポンサーであることがわかるようになる
- スポンサー専用カスタム絵文字
YouTuberが提供している場合、チャット内でスポンサー専用のカスタム絵文字が使えます
- スポンサー専用チャットへのアクセス
YouTuberが提供している場合、スポンサーだけがアクセスできる限定チャットに入ることができます
- チャットの低速モードの解除
YouTuberがチャットの投稿頻度に制限をかけている低速モードでもスポンサーは関係なく投稿できます
YouTuber側が受けられる収益メリットとしては、
- スポンサーから集まる収益の配分を受けられる
- いつもと同じ活動をしている中で、スポンサーだけに特別な体験を提供できる
といったところでしょうか。気になる収益面での効果なのですが、490円の月額のうちおそらく65%ぐらいが収益として配分されているのではないか?と実装済みのYouTuberからお聞きしましたが、ここの詳細はヘルプセンターで確認することができませんでした(どなたか実際のところをご存知でしたらぜひ教えてください)
ちなみに・・・たまたま気がついたのですが、どうやらYouTube Gaming以外の一般のYouTuberでも一部ベータテストが始まっている模様です。YouTuber全体が使えるようになる日も近いのかも?
スマホのアプリでファンコミュニティを作る「fanicon」
こちらのfaniconはYouTuberに限らず誰でも自分のファンコミュニティアプリを作ることができるサービスです。私が運営するTubers Guildでも使用しています。月額は自分で決めることができ、実際のアプリ上ではファンは下記のような楽しみ方で盛り上がることができます。
- ファン同士のグループチャット
会員だけがアクセスできるグループチャットでファン同士が交流して盛り上がることができます。当然YouTuberご本人も投稿可能です
- メンバーだけが見ることができるタイムライン
メインのタイムラインにはYouTuber自身がテキスト、画像、動画、ライブ配信など様々な情報をポストすることができ、ファンはそれに対して1:1のチャットでレスをつけることができます。twitter+instagram+facebookグループみたいな印象ですが、特徴的なのは「YouTuberに直接1:1で声を届けられる」ということです(個別にお返事を頂けるかはYouTuberによります)
- ポイント制のスクラッチくじを開催
実は密かにこれがキラー機能ではないかと思っているのですが、ファンはポイントを購入しそれを使ってスクラッチくじに参加できます(YouTuberが開催している場合)。これにより当選したファンは限定アイテムやメディア、オフラインの企画への招待など様々な権利を獲得できるイベントが開催できるようになっています。CDのパッケージに当たり券が入っていたら限定ライブにご招待!・・・という昔ながらのファンサービスにも近いものがありますね
YouTuber側が得られるメリットとしては
- 月額課金売上の収益配分
売上からYouTuberが配分を受け取ることができます。ファンの会費は自分で好きに決めることができますので、会員獲得のしやすさと売上のバランス地点を見極めることで収益効果を最大化する工夫が必要ですね。またアイドル要素の強い方であればスクラッチくじの売上がかなり大きくなることが予想できます
- 誰にも邪魔されない、ファンと自分だけの空間を作れる
外部にクローズドなコミュニティを作る一番のメリットはこれに尽きるかもしれません。昨今広告主に適していないとして広告が止まってしまったり、チャンネルが停止されてしまったりすることに戦々恐々とするYouTube界ですが、自分が運営する自分だけのアプリではそういった第三者のクレームや炎上を気にする必要はありません
UUUM所属クリエイターとつながる総合アカウント「UUUM FANS」
大手MCNのUUUMでは、所属YouTuberのファンが様々なサービスを受けることができる総合アカウントサービス「UUUM FANS」を運営しており、この中にはポッキーさん、はじめしゃちょーさん、そしてカリスマブラザーズさんの公式ファンサイトが設立されています。公式ファンサイトへのアクセスはそれぞれ有料課金が必要で、限定イベントや限定動画の配信などを行なっているようです。これらの公式ファンサイトはUUUM専属の人気クリエイターだけに提供されている特別なサービスの模様です。
E-DGEによるファンコミュニティサービス「costar」
こちらはmegwinさんなどが所属するYouTuber事務所E-DGEによる新しいサービスで、つい最近発表になったばかりです。サイトを見たところまだ事前登録中ということで、詳細なサービス内容は料金体系などは分からなかったのですが、おそらくUUUM FANSと同じように所属クリエイターのファンクラブサイトへアクセスできるサービスになるのではないかと想像しています。
VAZによる「スカイピースオフィシャルファンサイト」
この記事を書いている途中で飛び込んできたニュースです。インフルエンサー事務所のVAZによる、スカイピースさんのオフィシャルファンサイトがオープンしたとのこと。こちらは月会費350円、もしくは年会費3,500円を支払うことにより、限定コンテンツやグッズ販売へアクセスできるそうです。
その他の有料コミュニティ
たとえばテキストメインのコミュニティ構築であれば、noteの月額課金モデルや、DMMオンラインサロンでサロンを開設するなどといった方法も考えられます。YouTuber界ではMuscleWatchingさんがnote上でファンクラブ「おなかがペタンコになるノート」を主催されています。
またカブキンさんは独自開発したアプリ「カブキン倶楽部」で同じくファンクラブを運営、MVの先行配信や限定コンテンツの提供を行われているようです。自主開発はすごい!
百花繚乱!では個人YouTuberにおすすめの方法は?
ご覧いただいた通り、各事務所やMCN、そして個人YouTuberの皆さんが次々とこのファンクラブを開始しています。様々な選択肢がある中でどのサービスを使うのか悩まれることもあると思いますが、現時点で無所属の個人YouTuberが自分のファンコミュニティを自力で立ち上げるという時は、fanicon一択になると思います。自分もfanicon上でサロンを運営しているので若干ポジショントーク気味ではありますが、実際に使ってみて感じたメリットとしては
- 所属事務所、MCNなど問わずどなたでもオンラインで申し込んでスタートできる
- テキストだけではなく動画、画像、リンクなど様々な投稿ができるため、いままでの活動の副産物を流用できる
- ファン同士の交流が行える仕組みが完備されており、仮に自分が何も投稿しなかった日にもファン同士が色々盛り上がって楽しめる
- 課金がアプリストア経由なのでファンの皆様にクレジットカード番号を入力してもらったりする手間が必要ない(ハードルの低さは加入率の向上につながります)
ということが挙げられます。YouTubeスポンサー機能ももう少しプレミアム機能が拡充して、Gaming以外の通常のYouTubeでも全員が使えるようになればワンストップで加入率は高そうなのですが、すべての活動をYouTube上で行なっている場合、アカウントに何かが起きた時に全部パーになることはリスクとして押さえておいた方が良いポイントです。
私自身がfanicon上でコミュニティを運営してきたので、そのコツや楽しみ方などのアドバイスも色々できます。もしご興味のある方はぜひお気軽にtwitter上で絡んでください!
また他のYouTuberが実際にどんなことをやっているのかちょっと覗いて見たい、と言う方は、ぜひどなたか興味のあるYouTuberのファンクラブに無料期間だけでも参加して様子を見てみることをおすすめします。ファンのものすごい熱量に圧倒されると同時に、実はフォロワーが数万人・・・というのはYouTube上ではまだ中堅規模と思われるかもしれませんが、ものすごいポテンシャルのあるコミュニティであるということが感じられると思います。
いまfaniconでファンクラブを運営しているYouTuberの皆さん(一部紹介)
たとえば、
- これまでオフ会を開催したことある
- Tシャツやステッカーなどグッズが売れたことがある
- twitterやインスタグラムなどで視聴者から毎日反応がある
・・・といった方は、ぜひこのファンコミュニティの運営を検討してみる価値があるのではないでしょうか?