退職して10日が経過しました

Googleを退職して独立してから早くも10日が経過しました。先日ポストした退職エントリは色々な方にシェアしていただきまして、おかげさまで問い合わせも数多くいただいておりまして、お世話になっております皆様には足を向けて眠れません!

特にまだこれといった大きな成果物を生み出しているわけではないのですが、会社を退職して初めて知ったことや、実際に独立してみるまで気づかなかった学びもいくつかあるので、今日はそんなことをつれづれに綴ってみたいと思います。ちなみにこんな時に酷い風邪をひきましてベッドから2日間出れなくなってしまいまして、今日はコタツ記事ならぬベッド記事ですのでご容赦ください・・・。

退職前にやっておいて良かったこと

事務所の不動産賃貸契約

家族を養ってローンも多数抱えての身での独立はなかなかにチャレンジングなので、とりあえずサラリーマンとして在職中にできそうなことは手をつけておいて、ある程度準備ができたところでの退職申請としていました。ビジネスモデルの検討はもちろんですが、今回本当に先に動いておいて良かったと思ったのが事業のベースとなる事務所の不動産契約です。小さく始める方は自宅でスタートということも多いと思うのでこの場合はさほど問題にならないかもしれませんが、それでも開業から数ヶ月以内などに手狭になってどこかを借りようとすると、おそらく審査とかもんのすごく厳しいです。私はスタジオ兼ガレージということである程度広さや一定の設備(電源、間口など)が必要だったのでそもそもの物件探しにも相当時間が掛かりました。前年の9月ぐらいからあちこちの不動産屋さんに声をかけ始めて、興味がある物件は独立前に押さえてしまうぐらいの覚悟で探していたのですが、実際に決まったのは年末ギリギリになってしまいました。しかしそれでもまだ前職に在籍中だったため審査など信用面では有利に働いたことは間違いなく、これが無職になったあとだと相当苦労しただろうなと今になって思います。

ご存じない方もいらっしゃるかもしれませんが事業用物件はそもそも保証金が6ヶ月とか、保証人に加えて保証会社の追加保証も立てろなど何かと費用がかさみます。聞いた話によると、開業直後の個人事業主の場合は下手したらどうしたって審査に通らないというケースもあるようです。

ドメインやメールアドレスの確保

これまで20年以ブログって個人的に大小様々なサイトやブログの運営に携わってきていたため個人で所有しているドメインは幾つかあったのですが、独立を決めた時に新しいドメインを取得し、サーバを借りてブログ(このサイト)をスタートしました。

最終出社日を境に会社のメールアドレスには一切アクセスできなくなりますし、いままでお付き合いしていた方で仕事上以外のコンタクトを持っていない人から見ると一切連絡が取れなくなってしまいます。かといってお仕事のつながりをプライベートのfacebookや今までやっていた畑違いの個人ブログに持ち込むのも奇妙なので、私はソーシャルハンドルを含むすべてのインターネット上のポートフォリオを新しく作り直してそこを受け皿にしました。実際に準備すると意外と手間は掛かりますので、スタートダッシュのためにも事前に準備はしておいて良かったなと。有休消化中にブログを書き溜めるという楽しみも生まれましたし、なにより退職翌日にはすでにそのエントリーを見た方々からサイト経由でお問い合わせをいただくことができました(拡散して下さった皆さま本当にありがとうございます!)

一番最初の仕事を確保しておく

いきなりフリーランスといっても、実態はほぼ無職です。事務所に家具やらを入れたり、お世話になった方にご挨拶して回ったり色々とやることはあるものですが、一方でこれまで会社持ちだった交通費などの経費はすべて自分にのしかかってきます。前回の日記でも書いた通り私はこれまでやりたいと思っていた仕事をだいたい1/3ずつに分けて収入のポートフォリオを作ろうとしていますが、その中の1つだけでも良いので何か毎月の家賃か生活費ぐらいは賄える仕事は初日からあったほうがずっと気が楽です。幸いなことに以前から「将来独立したら何か一緒にやりましょう」と言って下さっていた方々の中から幾つかお仕事をいただくことができた私は、退職翌日から仕事があったので精神的にはあまり追い詰められることなくスタートを切ることができました。ただし、先に独立や起業した友人知人の多くが口を揃えて言っていたように、「会社を辞めても仕事をお願いするよ!」と言って下さった顧客のうち、2/3以上はたぶん社交辞令で本当に仕事なんてくれませんw ここは自分はあくまで「前職の時は会社の看板で食わせてもらっていた」と思うことにして過去には感謝しつつ、ご縁がなかったと思って諦めて新しい顧客を探す方が前向きです。

退職後でも特に問題なかったこと

開業届とか青色申告届けとか

退職時期が確定申告の時期と近かったこと、また新規事業のための準備の出費が昨年中に結構発生していたことなどから、開業届を出したり青色申告届け出とかしなくちゃしなくちゃしなくちゃ・・・と思いつつ、結局忙殺されて何もせずに時間が過ぎてしまい、後になって税務署に質問に行くことになってしまいました。一応個人事業主の開業届は開業から1ヶ月以内に。また青色申告届出は2ヶ月以内に提出することになっています。特に後者は1月1日〜15日に開業した場合はその年の3月15日までと決められています。正直いつを持って開業したと言えるかよくわからないのと、あらかじめ支出(しかも結構な額)の開業準備金を、サラリーマン時代の源泉徴収と相殺したりしないといけないんじゃないかと色々焦ったのですが、税務署で質問したところ多くの懸念は払拭されました。私の場合は昨年度分は例年通りサラリーマンとして確定申告をし、今年退職後に開業したことにして、これまで支出した分は開業準備金として繰り越せば良いそうです。

余談ですが会計ソフトのfreeeさんのヘルプセンターが下手な税務解説サイトの100倍は参考になる件・・・

社会保険

私が勤めていたグーグルジャパンでは、自社の健保を運用していました。サラリーマンを辞めるとこれまで加入していた社会保険を任意継続するか、国民健康保険に切り替えるかを決めないと保険未加入になってしまうわけですが、この手続きは退職後20日間以内にしないといけないとのこと。どちらがお得かはこちらのサイトなどにまとまっていますが、私はグーグルジャパンの健保の任意継続を選択しました。あくまで一般論ですが、若い人が多く医療費の支出が少ない健保(IT系の自社健保とか、関東IT健保とか)に入っていた方は、任意継続を選んだ方がトータルでお得な気がします。なにせ医療費の支出が低いために加入者向けの福利厚生サービスが手厚いんですよ。ただしそういった提携サービスなどを一切利用する予定がない人は、国保の方が毎月の保険料は安くなるかもしれませんので良く検討して決める必要があります。

独立してみて初めて気づいたこと

服装からして変わるわw

実際に独立してあちこちご挨拶に回ってみると、サラリーマン時代に比べて圧倒的に移動距離と時間が長いことに気づきます(外回りの営業だった方は全然違う話だとは思いますが私は内勤の管理職だったので)。とりあえず疲れる、汚れる・・・。まず汚れたら困る格好で出かけるのは避けるようになりました。最近はジーンズで訪問しても嫌がられることはない(少なくとも私のような業界では)ので助かります。そしてサラリーマン時代愛用していたルイ・ヴィトンのショルダーバッグとかはもう重くて辛いわキズ付けそうで怖いわ・・・ということで、久々にバックパックに変更しました。いま使っているのはIncaseのEO Travel Backpackですが、これがなかなか優れものでヨロシかったのでまた今度別な記事で紹介しますね。

人間と話すチャンスが激減する・・・

毎日どこかしら訪問してお話をしているにも関わらず、1日で人間と会話するトータルのボリュームが激減・・・まあサラリーマン時代どんだけ席でペラペラ雑談してたんだって話もありますが、一人でお昼ご飯を食べてたり、黙ってバスの席に座っていたりする時に、ふと和気藹々としたサラリーマン時代を懐かしく思うことはあります。

英語ヤバいんじゃないか・・・

サラリーマン時代は自分の部下も半数弱が外国人だったので日常会話は英語が主体でした。私は特に帰国子女でもなければ海外に住んだ経験があるわけでもないドブ板英語純ジャパなので、日常的に英語を使用しなくなると二次曲線的に忘れてしまいそうで不安です・・・とりあえず移動中は全部海外のラジオ(音楽ではなくトーク主体のニュース)を聞くようにしていますが、果たして1年後にどうなっていることやら・・・。

でもとりあえずはなんとかなってます

お金の問題ではなくて自分のやりがいのための独立なので当然ですが収入は激減しました。しかしながら自由になった時間、特に何をするべきか考えるための思考時間を手に入れることができたのは大きな財産です(正直これが一番欲しかった・・・)。

とりあえず収支でプラスとか考えるのは当分先の話になりそうなので、ひとまずは毎月の売り上げでGoogle勤務時代の手取りぐらいをなんとか目指していきたいものです。頑張ろう。ということで今回から広告貼ってますw

あと、いまもし独立することを悩んでいるサラリーマンの人がいるとしたら、私がアドバイスできることは「事前に悩んでいたり準備したりしていたことのほとんどは実際には後からなんとでもなる」ということですかね。案ずるより産むが易しというのは楽観的すぎるかもしれませんが、ほら、昨今は人に使われない生き方みたいなのが流行るみたいですから、この流れに乗るなら今じゃないですかね?(苦笑)

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