やはりフリーランスは健康が第一だというお話

ご無沙汰しております、ダブルクラッチテクノロジーズふなです。

実は入院したりしておりまして、4月は一切ブログポストが無いまま通り過ぎてしまいました(苦笑)幸い特に大事に至らず仕事に復帰することができたのですが、企業を離れてフリーランスとして活動し始めた矢先に、体調のために仕事をすることができないという相当リスキーな経験をしたので、それにまつわる考えをつらつらと書いてみたいと思います。

きっかけは健康診断

事の発端は前職のGoogle在籍時の最後の健康診断でした。Googleはグーグル健康保険組合という自社健保を擁しており、そのカバー範囲がかなりリッチです。これは疾病率の低い若い加入者が多い健保の特徴で、自社健保がスタートする以前に加入していた関東IT健保なんかも同じようなことが良く言われます。そんなお得な健保に所属するのもあと僅かだと思っていた私は、昨年末の健康診断でオプションの腫瘍マーカー検査などを追加して、とりあえず独立前に悪いところは全部炙り出してしまおうと考えていました。もちろん結果は何も見つからずに、安心して退職できることを期待しての行動だったのですが・・・これがちょっと予想とは異なる方向に進んでしまったわけです。

P53抗体検査で怪しい数字が・・・

近年使われるようになった初期がんに高い陽性率を示す腫瘍マーカーであるP53抗体というのがあるのですが、この数値が基準値を大きく超える結果となりました・・・。基準値が0~1.3U/mlのところ、11.77U/ml(!)

正直親族にガンで亡くなった者も多く、結構な不安を感じる結果。その他にも白血球数の増大や、過去数年経過観察だった胆嚢のポリープなども再度指摘され、再検査となってしまいました。とりあえず健康診断を行ったクリニックを再訪し、念のために胃カメラ、CT検査、大腸内視鏡の3点セットを受けることになりました。また腫瘍マーカーなどの数値はストレスや生活習慣(喫煙など)の影響も受けるとのことで、再検査までは体に悪そうなことは全部止めてしばし節制した生活を送ることに。

血清抗p53抗体に関する話題 | 同友会メディカルニュース
血清抗p53抗体に関する話題 | 同友会メディカルニュース…

胃カメラとCTはOK、しかし・・・

胃カメラやCTには顕著な初見はなかったのですが、大腸内視鏡検査では6mmほどの大腸ポリープが発見され、その場で切除となりました。実際には鎮静剤で眠っている間に全てが起きたので実感は無いのですが、目を覚ましたらシャーレの上に小さな組織が乗せられていて、切除の上で3つの止血クリップで止められたことが告げられました。病理検査の結果は2週間後とのことでしたが、頂いた明細には「周辺部白斑あり大きめ切除」と書いてありました。帰宅後にググってみると、大腸ポリープ周辺の白班は早期癌との相関性があるような論文とかがヒットして、いっきに不安のどん底へ・・・。

大腸ポリープ切除術(内視鏡的大腸粘膜切除術 EMR ; endoscopic mucosal resection | 公益財団法人 早期胃癌検診協会
大腸ポリープ切除術(内視鏡的大腸粘膜切除術 EMR ; endoscopic mucosal resection | 公益財団法人 早期胃癌検診協会…

大腸ポリープ病理検査の結果

不安なまましばらく過ごすうちに、精神的なものか何かわかりませんが、大腸ポリープを切除したS字結腸のあたりが痛むような気が・・・不安を抱えたまま病理検査の結果を聞きにクリニックを再訪。結果は特に悪性初見はなし、痛みに関しても穿孔など心配するような重篤なものは無いので、検査に伴う一時的な違和感だろうということで安心することができました。

大腸ポリープを取った跡はこんな止血クリップで止められていました。しばらくしたら外れてトイレに流れて行くそうです・・・

ところが過去の健康診断結果をすべて見直した上で、残る懸念点を検討してくださった先生から指摘されたのは、以前から経過観察だった胆嚢ポリープがかなり大きくなってきていること。一般的に10mmを超えると悪性の不安があるので治療の適応を考えるべきところ、私のエコーの検査は14mmという大きさを示していました。念のために大きな病院の肝胆膵移植外科への紹介状を書いてもらい、再度診察を受けることになりました。

そして胆嚢摘出手術へ・・・

これまで何年かに渡って胆嚢のポリープは指摘されていて、一般的には良性のコレステロールポリープの可能性が高いので経過観察と言われていたことから、私はここまで来てもおそらく「精密検査の結果心配はないので経過観察しましょう」と言われると思っていました。ところが診察を受けてその場で再度エコーを当てた結果、やはり大きさがかなり大きい、おそらくは良性だが悪性の可能性も否定はできない。胆嚢に関しては治療といっても丸ごと摘出して病理検査をするしかないとのことで、入院手術が決定してしまいました(涙)

【胆道の病気】胆のうポリープについて | 広島大学 第一外科
【胆道の病気】胆のうポリープについて | 広島大学 第一外科…

胆嚢の摘出は腹腔鏡手術で行われるので入院は短期で済み、手術後の復帰も早い事。さらに胆嚢を切除しても一般的に普通の生活にはほとんど影響がないことなどの説明を受け、手術を行うことに同意しました。その際の外科の先生がとても親切で、考えられる病状、そして手術の進行などについてかなり細かく説明していただくことができましたが、それでも悪性の疑いがゼロではないので不安は募ります。実際の手術の手順としては腹腔鏡で胆嚢を摘出、その場でクイック生検を行い良性であれば終了。万が一悪性だった場合は、その進行度合いによって肝臓の一部、リンパ節、腹膜など開腹手術へと移行し、長時間の手術と療養が必要になる可能性があることなどの説明を受けました。その全ては私が麻酔で眠っている間に判断がなされるため、いずれにしても一度寝たらノーリターン・・・起きてから、どこまで進んだかが初めてわかるというスリリングなものでした(汗)

初めての入院手術

これまで大きな病気をしたこともなく、怪我に関してはシーソーで小指をぺっちゃんこに潰したり、高級レストランで泥酔クラッシュして肋骨をへし折ったりしたことはあったものの幸い(?)入院をせずに治して来た私は、入院も全身麻酔も手術も初めてでした。入院中もできる限りネットに繋げてできる範囲で仕事を続けたかった(というかそうじゃないと本当に全て止まってしまいそうで心配だった)私は、自己負担で個室への入院をリクエストしましたが、これが一泊あたり差額x万円と高い・・・個人で医療保険に入っていたのでそこから出るかなーと思ったのですが、私の加入していた保険は5泊以上の入院時のみ給付とのことだったので、予後によって出るかでないか微妙な線。でも昔から修学旅行とか合宿など雑魚寝の集団行動が大の苦手で、Google在籍中も相部屋の出張は全て自腹でホテルを予約して別行動で泊まっていたほどの私は、差額全額自己負担もやむなしの覚悟で個室へ。

手術当日は看護師さんに胸から下の毛をジョリジョリしてもらい、すっぽんぽんになって手術着を来て、あとは麻酔で意識を失って天命を待つのみです。ちょっと苦笑してしまったのが、私は特に体調が悪いところは何も無かったので、手術着に着替えたらスリッパを履いてペタペタを自分で歩いて手術室へ向かったこと。しかも朝一の手術で少し早くついてしまったのでスースーした落ち着かない格好のまま手術室の前で立って待っていたことでした(笑)さらにそのままひんやりした手術室の中へペタペタ歩いて自分でよっこらせと手術台に登って横になり・・・そこで全身麻酔により記憶はプツっと途絶えます。

そして覚醒・・・手術の結果は?!

次に目覚めた時、手術台の上で執刀医の先生から聞いたのは「予定通り胆嚢を摘出し、特に悪性ではないと思われるのでそこで終了しました」との報告。病室に戻ってから写真を見せてもらったのですが、これがまぁちょっと目を背けたくなる有様で・・・ポリープは良性だったので良かったのですが、驚くべき多発ぶり(汗)しかもそのうち3つが連なって大きくなっており、この部分がエコーでは巨大なポリープとして映っていたことがわかりました。念のため正確な病理検査に回されるものの、現時点ではあまり心配はなく無事にもっとも軽いケースで手術は終了したとのことで、私の初めての腹腔鏡手術は無事に完了しました。

なんかグロ注意な気もする私の胆嚢の開き・・・画像小さめサイズでお送りします・・・

病室に戻ってからは酸素、点滴、尿道管とこれまで繋がっていたものが時間を追うごとに外されて行き、聞いていた通り腹腔鏡手術の術後の回復は早いもので翌日の夜には病院の中を普通に歩き回れるようになり、術後3日目の朝一で退院と相成りました。1週間後に病理検査の結果を聞きに行き、今回のポリープはすべて良性であったことも書き添えておきます。

今回の学び

今回会社を退職して自分の腕一本で稼いで行こうと思った矢先の出来事だったので、正直かなりの不安を感じたことは否めません。ただ結果としては大きな問題は発見されず、それはそれで良かったのですが、では「当初の腫瘍マーカー検査や白血球の異常はなんだったのか?」というミステリーが残ります。この点について健康診断を受けたクリニックと胆嚢摘出手術を受けた病院双方の先生から言われたのは

検査の数値には個人差があり、基準値はあくまで一般的な基準でしかないこと。人によっては体質的に数値が高い人や、一時的な理由で外れた数値が出ることがある。大切なのは同じ施設で継続的に検査を受けて、何かが大きくなっていないか、数字が突然上昇していないかなど定期的な検査を続けること

ということでした。また正直な話、検査のクオリティ、紹介してもらえる病院のレベル、どれだけ細かく1人の患者さんをケアしているかなどは、どこの病院で検査を受けるかによってずいぶん違いがあるような気がしました。都心部の(たぶん本当はお高い・・)病院は、全てにおいてサービスが行き届いていて大変信頼できるものだったのですが、これ・・・自腹で普通に病院行こうとしたらこういうレベルの医療機関に行かないで近所で済ませちゃうよなぁ・・・人間ドックとかも安いとこ探して行っちゃうよなというのが本音。この点に関しては、加入していた前職の健康保険と、将来万が一のことがあったらと思って加入していた医療保険のおかげとしか言いようがありません。ちなみに会社の健保は独立後、任意継続することにしたので、あと2年は継続して同じ医療機関で検診を受け続けることができるようになりました。

まったくインターネットに関係ない話題になってしまったような気もするのですが、無理やりこじつけるとすると

  • フリーランスの自営業者やクリエイターは、病気になったら全部止まっちゃう恐怖との戦いなので、備えは万全に・・・
  • 健康診断、やっぱ大事です。特に同じ期間で継続的に受けて、その変化を見てもらうことが一番大事かと。オプションの検査で一喜一憂したり、その都度ネットで一番安い人間ドック見つけて受けるようなやり方はあまり賢明ではない
  • いざ入院となったら、個室で電源とネット完備を手に入れるにはそれなりにお金掛かるけど、それがないストレスに比べればあった方がいい(そこも保険に入ってればある程度カバーできるかも?)

といった感じでしょうか。

さて、取るもんは取っちゃってすっきりしましたので、これからお仕事がんばりましょうか。

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