YouTubeにラーメンズがやってきた!けどなんかもったいない

個人的にラーメンズが大好きです(きっぱり)

ラーメンズご存知無い方、以下の動画をまずご覧ください。

このフラッシュがネットに投稿されたのがいつだったかははっきり覚えてないのですが、たぶん2002~2003年ぐらい?当時は様々なおもしろフラッシュが職人により日々アップロードされていて、なにやら日本のオンラインクリエイターの幕開けは2ch発祥のフラッシュ職人なんじゃないかという気もするわけですが、2017年にはもうそのオリジナルをFLASHフォーマットで紹介するのが憚られるほどこの技術自体が遠くなりにけりなわけですが。

で、このおもしろフラッシュは元々ラーメンズのコントの音声のマッシュアップです。元ネタはこちら。

ラーメンズ好きとしては、当初この勝手にマッシュアップされたフラッシュにはちょっと腹立たしい思いもありまして、ラーメンズに許可なくこんなものが作られてけしからん!とか当時は思ってたわけですが、今思うと日本のネットカルチャーにおいて何らかの非常に重要なマイルストーンであったような気もします。正直ラーメンズ自体のメディア露出がそれほど厚く無いので、このフラッシュから知った人も常に無視できない人数が存在しそうですし。

ドリフ世代の私にとって、きっとした台本のあるナンセンスコントみたいなのは心のDNAのどこかにインプットされている必須アミノ酸なわけですが、いまの世の中一発芸やらダンス芸などわかりやすいものばかり人気になりますからねぇ・・・ラーメンズはちょっとマニア向けなポジションをずっと歩んでいるような気がします。AppleのCMとかも出てたんですけど。

ちなみにこのラーメンズとしてのコンビでの舞台活動は2009年ぐらいから事実上の休眠状態なんだそうで、最近はメンバーの片桐仁さんをテレビで俳優として見かける機会の方が多いかもしれません(って私は地上波見ないんですけどねw)

そんなラーメンズがインターネットに帰ってきた

先日突如としてこんなニュースが!

あの伝説のコンビが帰ってきた!しかもインターネットに!他の方がどう思ったかわかりませんが、個人的には無茶苦茶痛快なニュースで、かつてインターネットで勝手にマッシュアップされてバズったものの本人のクレジットはゼロに等しかったあのラーメンズがいよいよインターネットに満を辞してお礼参りに来たような、そんな興奮を感じながらこのニュースを読んだのは私だけでしょうか?やっちゃえ!稼いじゃえ!またバズっちゃえ!今度こそラーメンズ公式だ!リベンジだ!!って思ったのは私だけでしょうかw

でもなんかもったいないYouTube チャンネル

勝手に期待値満タンの状態でその公式YouTube チャンネルを開いてみると・・・ん??第一印象はなんかちょっともったいないというか、残念な気持ちになりました。せっかくかなりのニュースになっているにも関わらず、チャンネルの構成がいまいちYouTubeのお作法にコミットできてない気がします。これまで公私問わずいくつかのチャンネルのお手伝いをして来た中で何度か見たことのある「コンテンツホルダーが手持ちのアーカイブをYouTubeにアップロード」した時にありがちな機会損失パターンに陥っているような気がします。

  • パターン1 : 一度に全部アップロードしちゃう

これが一番ありがちな間違いなのですが、とりあえず何百本という手持ちの動画をドバーッとYouTube にアップロードして出血大サービスしちゃおう!というのは、芸能プロダクションやDVDのパッケージ販売などをしている事業者のチャンネルの初動ではありがちなパターンです、が、これは宜しくないです。以前の記事でも書いた通り、テレビなど既存のメディアではコンテンツ以外に編成とかマーケティングとか様々な周辺施策が折り重なって一つの番組が作られているのですが、この一度に大量のビデオをアップロードしてしまうというのは、テレビで言うならば編成不在、何曜日の何時からどんな番組を放送するかという戦略がゼロという状況です。その結果なにが起こるかというと、一番最後にアップされた動画は上にあるので多く見られるのですが、最初の方にアップロードした動画は沈んでしまい再生が進みません。

  • パターン2 : YouTube の視聴者にコミットしていない

これも有名タレントなどのチャンネルにありがちな話ですが、すでにファンの人というのはテレビなりDVDなりを熱心に見ているわけです。それでもなおYouTube のチャンネルを見てもらうためには、ネットオンリーの特別コンテンツか、あるいはもうDVDの特典映像的なショートフォームでもいいので、本人による「YouTube をご覧のみなさん!新しいチャンネルをぜひ見てくださいね」的なティーザー動画などのエクスクルーシブなビデオを1本でもあげないとなかなか響きません。できればスマホで撮った動画でもいいので、毎週一回YouTube エクスクルーシブな本人メッセージなどを投げると効果的です。というか、ファンならそれが見たいよね?

  • パターン3 : チャンネルの最適化ができていない

YouTube チャンネルのトップページは雑誌で言えば表紙&目次、テレビで言うと番組表かDVDのメニューみたいなもので、ここでどれだけ効果的にチャンネル内のビデオを整理して見せるかはとても大事です。またそれぞれのビデオのサムネイル画像の最適化と、関連動画へのリンクをカード機能などを使って張るなどして、どれだけ「公式チャンネル」に視聴者を呼び込み、そしてそのチャンネル内から逃さずに多くのビデオを視聴してもらうかの施策が必要です。いまの見た目だと正直第三者がアップした非公式チャンネルと区別がつかないですし、単独の動画に至っては検索でヒットしてもそれがどの公演の何番目のネタなのか、あるいは非公式動画なのかもまったく見分けがつかなくなっています。チャンネルの最適化手法についてはYouTube の公式クリエイターアカデミーでお勉強できますよ。

  • パターン4 : 広告配信の最適化ができていない

また以前の記事にも書いた話ですが、ネットでアドネットワーク経由の広告配信で収益化できるプラットフォームを使う最大のメリットは、「スポンサーを探したりする広告営業が必要ない」ということです。YouTube に動画をアップしたその日から再生されれば自動的に収益に繋がるわけですが、これにも色々と効果を向上させる施策はあります。パッと外から見ただけなので実際のチャンネルの設定がどうなってるかはわかりませんが、表面上はYouTube で表示できる3種類の広告(テキストオーバーレイ広告、インストリーム動画広告、ディスプレイ広告)のうち、ディスプレイ広告しか表示していないように見えます。これ、収益的には無茶苦茶機会損失です。まず単純に1本の動画に広告枠が3つ以上あるはずなのに1つしか利用していないこと、そしてモバイルでの視聴者に広告を表示している可能性がかなり低くなっていることは、収益効果に大きくマイナスに働くことが予想されます。また外部サイト埋め込み再生の際も広告が表示されません。「自分の作品の前に15秒なりコマーシャルが入るのは視聴者が嫌がると思うので・・・」ということをおっしゃるアーティストの方は多いのですが、テレビだってCM入るじゃないですか。しかも収益化の目的が募金ということであればなおさら、収益向上の施策は重要なのではないでしょうか。

YouTube チャンネルの最適化はYouTube に直接聞ける

あまりご存知でない方が多いようなのですが、YouTube ではチャンネルの最適化を直接アドバイスする、パートナーシップチームによるサポートというのを行なっています。公式サイトによると利用条件は

  • YouTube パートナー プログラムに参加し、チャンネルが YouTube パートナー プログラムのポリシーに準拠していること
  • チャンネル コンサルテーションをご利用いただくには、チャンネル登録者数が 10,000 人以上で、過去 1 年間の総再生時間が 10,000 時間以上であること
  • マルチチャンネル ネットワーク(MCN)と提携しても可

ということのようで、この条件に合致しているチャンネルのオーナーには招待が届いているとのこと。YouTubeから届いたメールを見落としていないか、チャンネルを作った時に登録したメールアドレスの受信箱を再度確認してみることをおすすめします。

また収益化パートナーであれば機能に関しての質問などは直接メールで回答がもらえます。ヘルプページの右上の「サポートへの問い合わせ」をクリックするとトラブルシューティングが立ち上がるので、ここからメールサポートの申し込みもできますので試してみてください。

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